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2023.09.22
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海藻養殖の新市場、2030年までに最大118億ドル規模に成長の可能性

世界銀行は2023年8月16日、このほど発表した新たな報告書「海藻養殖の新しい世界市場2023年版(The Global Seaweed New and Emerging Markets Report 2023)」の中で、これまで食用利用が主であった海藻を新たな用途で活用する10件の新市場を特定し、それらが2030年までに最大118億ドル規模に成長すると予測しました。

同報告書は、高成長が見込まれる海藻の新たな用途市場のビジネスチャンスを分析しており、海藻分野が、現在および将来にわたりその潜在性を確実に発揮できるように、起業家、投資家、政策担当者に対して知見を提供するものです。

現在、養殖された海藻のほとんどは食用または養殖用の飼料として利用されていますが、将来的には、海藻から作られた製品が繊維やプラスチックなどの分野で化石燃料にとって代わったり、炭素を隔離したり、脆弱な沿岸コミュニティの収入源になったりする可能性があるとしています。海藻市場は現在、98%を生産するアジアの数か国が独占していますが、多くの地域で高成長の機会があるとしています。

「世界全体における海藻養殖の成長は、政策決定者、金融機関、科学界、民間セクター、生産者、加工業者の間で、誰一人取り残されることなく、知識と技術が共有されるかどうかにかかっています」と、世界銀行環境天然資源・ブルーエコノミー・グローバル・プラクティスのグローバル・ダイレクターであるヴァレリー・ヒッキーは述べています。

世界銀行は同報告書内で、既存の利用分野以外で最大の市場機会をもつ10件の海藻養殖の新興市場に注目し、短期・中期・長期的にみた市場規模を予測しています。

短期的に最も期待できる市場は、バイオスティミュラント(植物の生育を促進し、病害に対する抵抗性を向上する資材)、動物用飼料、ペットフード、メタン発生を抑制する飼料添加物を挙げ、これらの市場規模は2030年までに44億ドルに達すると予測しています。

中期的には、栄養補助食品、代替タンパク質、バイオプラスチック、繊維などへの活用が有望視され、60億ドル規模になるとの予測です。長期的な新興市場は、医薬品や建設材料への活用で14億ドル規模の達成が予測されていますが、規制上の重要な課題があり、製品開発には多額の費用もかかるとしています。

「開発、気候、そして自然がいかに調和すれば、価値の創出や地域の生活向上につながるのか、海藻養殖はその道のりを示しています。海藻養殖は、合成肥料の代替手段はもちろんのこと、栄養安全保障の源にもなります。各国が食料システムを転換し、人々、地球、そして経済により良い成果をもたらすよう、世界銀行は、その一助となるべく全力で取り組みます」と、世界銀行農業・食料グローバル・プラクティスのグローバル・ダイレクターであるマーティエン・ファン・ニューコープは述べています。

世界資源が枯渇する可能性がますます高まっている今、海藻のように再生が早く、生態系の再生にも貢献し得る資源を最大限に活用することが特に重要であるとしています。


<参照情報>
New Farmed Seaweed Markets Could Reach $11.8 Billion by 2030
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2023/08/16/new-farmed-seaweed-markets-could-reach-11-8-billion-by-2030

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