国際環境NGOであるコンサベーションインターナショナルは、米顧客関係管理ソフトウエア大手のセールスフォースや世界情勢の改善に取り組む国際機関である世界経済フォーラムなど、海の持続可能性に先駆的に取り組む世界的な連合と共に、投資可能で、かつ人や自然、気候に有益な結果をもたらす高品質なブルーカーボンプロジェクトを構築するための新しい原則を、2022年11月9日に国連気候変動枠組条約締約国会議（COP27）で発表しました。

「ブルーカーボンの原則とガイダンス高品質化」は、高品質なブルーカーボンプロジェクトとクレジットの開発と購入へ導く、世界初のブルーカーボンの枠組みです。クレジットの購入者や投資家、サプライヤー、プロジェクト開発者に対して、一貫性があり、一般的に広く認められているブルーカーボンクレジットの枠組を提供することを目指しています。

原則は以下5つをあげていて、どれも等しく重要な原則としています。

• 自然を守る
  生態系のレジリエンスを維持、向上させる
• 人々に力を与える
  ブルーカーボンプロジェクトを実施する地域のコミュニティメンバーの権利や知識を保護する
• 最善の情報や炭素会計の原則を適用する
  コミュニティの先住民や伝統的な知識を含む、科学に基づいた最善の知識を利用し、透明で正確な温室効果ガスの策定を行う
• 状況に応じて地域で活動する
  その地域の社会的かつ環境保護の立場に準じてプロジェクトを設計する
• 健全性の高い資本の投入
  世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるための科学に基づく目標（SBT）を設定し、残りの排出量を高品質な炭素クレジットで相殺する

マッキンゼーアンドカンパニーの推計では、世界の炭素市場は2030年までに500億米ドルに成長するとなっています。コンサベーションインターナショナルは、品質に対するこの共通ビジョンが、ブルーカーボンプロジェクトの開発と投資に関する信頼と機運を構築する上で、基礎的な役割を果たすことができると語っています。

コンサベーションインターナショナル
「‘HIGH-QUALITY BLUE CARBON PRINCIPLES AND GUIDANCE’ SEEKS TO DRIVE SUSTAINABILITY AND EQUITY IN THE BLUE CARBON MARKET」(ウェブサイト）
https://www.conservation.org/press-releases/2022/11/09/high-quality-blue-carbon-principles-and-guidance-seeks-to-drive-sustainability-and-equity-in-the-blue-carbon-market

マッキンゼーアンドカンパニー
「A blueprint for scaling voluntary carbon markets to meet the climate challenge」（ウェブサイト）
https://www.mckinsey.com/capabilities/sustainability/our-insights/a-blueprint-for-scaling-voluntary-carbon-markets-to-meet-the-climate-challenge