粘着紙や粘着フィルムの製造・販売を手掛けるリンテック株式会社は、2018年に社内で発足した組織横断的なプロジェクトのSDGs委員会をきっかけに、ブルーカーボンをテーマとした新たな付加価値を創出する取り組みに着手しました。それは、アサリの生態研究・稚貝保護や漁業者の航路確保のために間引き・廃棄されるコアマモの有効活用です。
用途開発として選択したのは、混抄紙(茶殻や小豆の皮といった本来であれば廃棄される非木材原料を木材パルプに混ぜ合わせて抄いた紙)でした。
CO2の吸収効果があるコアマモのバイオマスを紙として固定し、さらに紙を廃棄せずに長期的に使用すれば、CO2の長期貯留につながります。また、コアマモ混抄紙は、リンテック株式会社がプラスチック代替製品として提案を強化している特殊紙の一つでもあります。
リンテック株式会社の森本泰道氏は、「現段階では、まずは名刺や封筒、包装紙などに用途展開できればと考えており、量産機でのテスト抄造を実施し、サンプル提供をしてお客様の評価を頂いている状況です。『ブルーカーボン』を有効利用した新たな環境配慮製品として世の中に認知されてゆくことを願っています」と述べています。
<参照情報>
リンテック株式会社『LINTEC WAVE 90』2023年3月
https://www.lintec.co.jp/ir/library/pdf/wave/WAVE90_all.pdf
リンテック株式会社『LINKING MATERIALS02 日本の和シリーズ』
https://www.lintec.co.jp/products/exhibition/pdf/LINTEC_SUSMA2022_Leaf_Tamotsu02.pdf