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2024.10.16
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釜石市、独自のブルーカーボン・オフセット制度を創設

"Undaria pinnatifida” by division, CSIRO is licensed under CC BY 3.0

釜石市は2023年10月16日、釜石版ブルーカーボン・オフセット制度の運用を開始したことを発表しました。2021年10月に表明した目標である、「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」の実現を目指します。

クレジットの発行量は39.2 t-CO2です。これは、2022年度に市内で生産されたワカメ、コンブのCO2吸収量を算出した値になります。販売価格は1t-CO2あたり8,800円で、2024年2月末現在、29.5t-CO2 が販売済みです。

クレジットは、移動に伴うCO2排出をオフセットするなど、かまいしDMCが実施するワーケーションプログラムとのセット販売を基本としていますが、クレジット単独での販売も行っています。かまいしDMCは、釜石市が観光振興ビジョンとして掲げている「オープン・フィールド・ミュージアム釜石」の構想実現を最大の役割として2018年4月に設立された、観光地域づくり法人です。

ワーケーションプログラムのテーマは「学び」です。震災の記憶をたどるワークショップ、復興まちづくりを体感できるプログラム、震災復興の過程で奮闘してきた地元企業の経営者の方々とのセッションなど、釜石ならではの体験を得られる内容になっています。

今後は、この制度を継続して運用し、ワカメやコンブの養殖に加え、ウニの駆除による藻場の再生を進めることでCO2吸収量の増加を図るとともに、駆除したウニを畜養、商品化することで漁業者の所得向上にもつなげていくとしています。


<参照情報>
(1) 釜石市ウェブサイト
釜石版ブルーカーボン・オフセット制度
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023101300020/
(2) 釜石市ウェブサイト
令和5年度釜石市水産審議会の開催結果
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2024032700040/
(3) 株式会社かまいしDMCウェブサイト
ワーケーション
https://kamaishi-dmc.com/service/service1/

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