
カナダのOpen Ocean Robotics社は2024年11月1日、ブリティッシュコロンビア州ビクトリアで、アマモの密度と被覆率に関する詳細な情報を収集するため、ケーススタディを実施したことを報告しました。
この研究では、同社のソーラー式の無人水上車両(USV)であるDataXplorer™を使用しました。この自動車両には、高解像度の3Dサイドスキャン・ソナー・システムであるPing 3DSS-iDX-450が搭載されており、詳細な海草調査のための強力なツールとなっています。
この先進技術を活用すれば、海洋科学者や海洋保護活動家は、海草の分布をより良く把握し、長期的に変化をモニタリングし、炭素を回収する貴重な生態系の保護に関して、的を絞った計画を立てることができます。DataXplorer™は、長期的な環境モニタリングの持続可能で、非侵襲的かつ効率的な解決策を提供するものです。
炭素隔離および海洋の生物多様性において、海草の生態系が極めて重要な役割を担っていることから、近年、海草のマッピングの重要性はますます高まっています。「ブルーカーボン」生息地としての海草藻場は、気候変動を緩和する上で、必要不可欠であるにもかかわらず、世界中で急速な破壊に直面しています。これらの貴重な地域を保護・再生するために、何よりも重要なのは、正確なマッピングとモニタリングです。
Open Ocean Robotics社は、以下の目標を掲げ、この研究に臨みました。
- 影響を受けやすい海洋生息地の効率的で、大規模かつ非侵襲的な調査を実現し、かく乱の最小化とデータ収集の最大化を両立できるDataXplorer™の並外れた経路追従能力を実証すること
- Ping 3DSS-iDX-450 3Dサイドスキャンを活用し、高解像度で広範囲を捉えるソナー画像によって、正確な海底の分類および水深測量と、詳細な海草密度のマッピングの両方を可能にすること
同社は、このアマモのマッピングプロジェクトを成功裏に完了しました。DataXplorer™は、わずか2時間で約42.3ヘクタールをマッピングしました。この達成により、正確にアマモをマッピングできるDataXplorer™の能力、すなわち、これらの貴重な水中生態系の分布と健康を把握するための極めて重要な役割が実証されました。
このように、Open Ocean Robotics社は、センサーやカメラ、リアルタイムの通信手段を搭載したソーラー式の無人水上車両(USV)を用いて、海洋に関するデータを収集しています。また、より手頃な価格で、より安全かつ効率的に、海洋を深く理解し、海洋の研究・保護・活用の仕方を変革し、海洋のIoTの構築に資する方法を提供しています。
<参照情報>
Seagrass Mapping: A Crucial Tool for Marine Conservation
https://www.openoceanrobotics.com/seagrass-mapping