
AIMSの科学者たちは、沿岸湿地の土壌に貯留されている有機炭素の源の解明に取り組み、海洋生態系が地球規模でどのように気候緩和の一助となっているのかについて、極めて重要な知見を発表しました。
塩性湿地やマングローブなどの土壌の測定から得たデータを統一・分析して作成した数学的モデルから、有機炭素の源は場所と条件によってかなり多様である一方で、こうした土壌に貯留されている有機炭素の半分以上が、海藻や陸生植物のような湿地にはない植物由来であることが分かりました。そのため研究者は、ブルーカーボンを貯留する湿地を、つながりのある土台の一部として考え、マングローブ林だけでなく、有機炭素の多様な源を保護する総合的な沿岸管理の必要性を主張しています。
また、現在のブルーカーボンのクレジット化のシステムでは、湿地由来の植物を重視し、炭素隔離にとって重要なほかの源を考慮していないため、更新の必要性も指摘しています。さらに、炭素の源となる可能性があるものをすべて網羅した新しい海のブルーカーボンモデルに関する研究も進められています。
<参照情報>
AIMS scientists untangle sources of blue carbon in wetland soils
https://www.aims.gov.au/information-centre/news-and-stories/aims-scientists-untangle-sources-blue-carbon-wetland-soils