Initiatives

日本・世界の取り組み
2025.12.24
Share x facebook

マングローブの炭素、数百年後に海へ――世界初の解明

Photo by mihochannel.extend is licensed under CC BY-NC 2.0

東京大学大気海洋研究所は2025年7月3日、石垣島のマングローブ湿地で、海へ流れ出す炭素の一部が「数百年前にマングローブが生産した有機物」に由来していることを明らかにしたと発表しました。近年、マングローブ湿地では、有機物が分解される過程で生じる炭素が、溶存無機炭素として海に運ばれる可能性が指摘されていましたが、その移動にかかる時間は分かっていませんでした。

研究チームが湿地の水を詳しく調べたところ、下げ潮の際に溶存無機炭素が増え、その増加は湿地内で分解された古い有機物に由来することが示されました。これは、これまで物質循環の終着点だと考えられてきた土壌中の有機物が、数百年の時を経て再び海洋に流出していることを、複数のモデル計算を通じて実証した世界で初めての研究だとしています。

今回の成果は、マングローブがどのように気候変動緩和に貢献しているかをより正確に理解するうえで、重要な手がかりになると期待されています。

<参照情報>
マングローブの炭素はどこへ? ―数百年の時を経た湿地から海洋への炭素輸送―
https://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2025/20250703.html

ブルーカーボンに関する取り組み事例

ニュース&トピックス