スコットランドの慈善団体プラン・ビボ財団(Plan Vivo Foundation)は、2023年6月7日、ブルーカーボンのプロジェクトが直面する障壁への対処を目的として「プラン・ビボ・ブルーカーボン・ハブ(Plan Vivo Blue Carbon Hub)(仮称)の構築」と「ブルーカーボンの新しい方法論の創出」に取り組んでいることを発表しました。
気候危機の最前線に立たされているコミュニティを25年にわたって支援してきたプラン・ビボは、コミュニティ主体の土地利用に関するプロジェクトへの炭素クレジットの認証を行っています。そのモデルを適用し、2014年に世界で初めて、自主的炭素市場(VCM)(企業や個人の温室効果ガス削減量を民間主導で取引する市場)でブルーカーボンのプロジェクトを認証しました。しかし、近年、その認証に対する需要が高まっているにもかかわらず、供給が追い付いていないため、対処に乗り出しました。
一つ目の取り組みは、「技術面・資金面・能力面での差を埋めることによって、より多くのブルーカーボンのプロジェクトがVCMに参入できるように協働する場を設ける」というものです。そこは知識の共有のためのハブ(拠点)として設計され、ブルーカーボンのプロジェクトのために、ステークホルダー、リソース、学んだ教訓、イノベーション、そして技術的・資金的支援が集まる場となります。この「ブルーカーボン・ハブ」(仮称)の正式な立ち上げは、2023年第4四半期の予定です。
二つ目は、特に海洋・沿岸に関するプロジェクトを考慮に入れ、先駆的なブルーカーボンのプロジェクトから得た知識と学びに基づく、新しいブルーカーボンの方法論を創出する取り組みです。世界の関心や需要から、この計画ではマングローブに関するものが優先され、その次に海草、そして後の段階で塩性湿地にも範囲を広げることになっています。
この方法論の構築は、英国の海洋保護団体ブルー・ベンチャーズ(Blue Ventures)のLeah Glass氏が、ブルーカーボンの専門家のネットワークから情報を得ながら進めています。この方法論は、発展を望むブルーカーボンのプロジェクトであれば、どんなプロジェクトでも利用可能なものになります。
プラン・ビボは、この戦略の実施に向けて、ブルーカーボン分野で影響力のある組織との連携を進めています。そうすることで、同団体のネットワークが持つ既存の専門知識を強化するとともに、重要な関係者を集めて知識のやりとりを促進することができるとしています。
<参照情報>
OUR STATEMENT ON BLUE CARBON
https://www.planvivo.org/news/our-statement-on-blue-carbon