米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)所属チームのフィラデルフィア・イーグルスは2024年6月8日、世界海洋デーにちなんで、同チームの海洋保護の取り組みについて報告しました。
イーグルスは2021年、同チームの環境保護の取り組みであるGo Greenを通して、海洋財団(The Ocean Foundation)と画期的なパートナーシップの締結を決定し、米国のプロスポーツ組織で初めて、プエルトリコのホボス湾国立河口研究保護区の海草とマングローブの再生を通じて、チームの移動によるCO2排出量を100%相殺しました。
イーグルスのファン体験・持続可能性担当副社長のNorman Vossschulte氏は、この数年間、複数の会議に参加し、「環境を守るためにもっとできることはないだろうか」というシンプルな質問を投げ掛けてきました。Vossschulte氏と科学者や自然保護活動家との議論から、イーグルスが問題の根本的な原因に取り組むというこれまでにないアプローチを行うことになりました。
「海洋に問題があると、地球のほかの部分にも問題が起こります。地球上で一つ、特定のことに注力したければ、始める場所は海洋であるべきだと思います。そこから始めれば、地球を救うことができます。海を大切にしなければ、地球上の生きとし生けるものが苦しむことになるでしょう」とVossschulte氏は語っています。
Vossschulte氏は2024年5月、海洋財団による取り組みを間近で見る視察に参加しました。近年ハリケーンによって、マングローブ林の大部分が壊滅しているプエルトリコとビエケス島を訪れ、現状を肌で感じ、生物学的な視点から探究する5日間の旅でした。そのマングローブ林は、木や低木の枝葉が繁茂する豊かな生息地で、ほかの動植物の棲み処となっており、生態系のオフェンスライン(アメフトのブロックの重要なポジション)と言えるところです。
この視察は、Vossschulte氏にとって、問題に気づき、目の前の状況の重要性が高まった「人生を変える」経験となりました。
「正直なところ、スポーツ組織に限らず、誰もが海について詳しく調べ、学び、正しく対応するためにできることは何でもすべきだと強く思います。それは本当に重要なことであり、私が得た最も大きな学びの一つです。私たちには知らないことがたくさんありますが、一度知れば、そのことについての理解が全く変わり、それから行動せずにはいられなくなるものです。そのため、教育は非常に重要だと考えています」
Vossschulte氏はフィラデルフィアに戻ってから、プエルトリコで学んだことをどのように活かすか思案した結果、全てのゴミは海にたどり着いている可能性が高いという現実から始めることにし、イーグルスのファンに、食料品店などで買い物をする際はシンプルに「これは必要なものだろうか?」と自問することを提案しています。
「私たちが皆で行えば、あらゆる小さな行動で膨大な変化を生むことができます。小さなことを一つしたって仕方がない、などと思わないでください。海とそこに生きる生物はあなたに感謝するでしょう」
<参照情報>
https://www.philadelphiaeagles.com/news/eagles-world-ocean-day-puerto-rico-go-green