Initiatives

日本・世界の取り組み
2025.07.07
Share x facebook

ドローンとAIで藻場調査を効率的に

Photo by Ian Baldwin on Unsplash

一般社団法人BlueArchは2025年1月28日、ドローンとAI技術等を活用したブルーカーボン調査手法を開発したことを発表しました。この手法を用いてCO2吸収量算定を実施したプロジェクトは、同年1月10日にJブルークレジットの認証を取得しています。

BlueArchは、2024年5月に設立された団体です。地域の漁業者や行政と連携し、ドローンやAI技術を活用したブルーカーボン生態系のモニタリングシステムの研究開発、開発したシステムを用いた海洋STEAM教育などの事業を行っています。

今回開発された調査手法は2種類あります。ひとつは、水中ドローンとAI技術を用いたカジメの被度(海底を覆う割合)調査です。2024年9月に、横須賀市長井の水深5~10mに位置するカジメ場において、カジメの被度調査が実施されました。

この調査では、市販の水中ドローンに長さの基準となる方形枠を装着し、複数の代表点で方形枠とカジメを撮影しています。取得した画像データを基に、AIを用いて方形枠とカジメを検知し、被度を自動算出することで、広域にわたる代表点の正確な被度計測が実現されています。従来の潜水調査手法と比較して、調査の効率化およびコスト削減が期待されます。

もうひとつは、空中ドローンとデータ解析技術を用いたヒジキの実勢面積調査で、2024年6月に実施されました。ヒジキの保全エリアを空中ドローンで撮影し、画像を結合、解析することで、対象とするヒジキ領域を自動抽出する手法が適用されています。この手法を活用することで、水面付近に広く分布するヒジキの分布面積を、効率的かつ正確に評価できることが確認されました。

BlueArchでは、今後もより効率的で正確なブルーカーボンモニタリング手法の実現を目指し、操縦型水中ドローンやAI技術に加え、自律型海中ロボットなど複数の分析技術の統合による藻場調査の効率化・精度向上を図るとしています。

<参照情報>
(1) プレスリリース
【国内初事例】ドローンとAI技術を用いたブルーカーボン生態系の調査手法を開発し、調査結果がJブルークレジット®の認証を取得
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000155969.html

ブルーカーボンに関する取り組み事例

ニュース&トピックス