「シーグラス・オーシャン・レスキュー」プロジェクトは、英国ウェールズ地方で「海底でのガーデニングのために、海草を集め、移植し、種を蒔く」活動を行っているチャリティー団体です。設立にあたっては、プロジェクト・シーグラス、WWF、カーディフ大学などいくつもの組織が協力しています。
このプロジェクトでは、2ヘクタール(ラグビー場約2面)のエリアで、実験的に藻場の復元に取り組み、その後エリアを広げていくことを計画しています。2020年3月10日付のガーディアン紙には、海草の種子入りの小さな麻袋を1メートル間隔でつけたロープを海中に入れていくことで、80万粒の種子を撒いたことが紹介されています。
「海草は沿岸海域の縁の下の力持ち」とこのプロジェクトのウェブサイトでは表現しています。世界の最大規模の漁場の20%は、魚が産卵や孵化・成長する場としての藻場に支えられています。また、英国では海草をすみかとする魚(あるいは訪れる魚)は50種あり、周辺の生息地に比べて30倍の生物を支えています。さらに、藻場は森林と同様、効率的に二酸化炭素を蓄積します。その量は1年間に、1ヘクタール当たり400kgです。英国では海草面積の92%は失われており、その回復は健全な海のために非常に重要です。
シーグラス・オーシャン・レスキューのサイトはこちら(英語)
https://www.projectseagrass.org/seagrass-ocean-rescue/
参考:UK's lost sea meadows to be resurrected in climate fight
https://www.theguardian.com/environment/2020/mar/10/uk-lost-sea-meadows-to-be-resurrected-in-climate-emergency-fight