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2022.06.29
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山口県周南市:大島干潟からつながるブルーカーボンプロジェクト

国土交通省は2022年3月15日、山口県周南市の大島干潟において創出されたCO2吸収量が企業等との間でクレジット取引されることとなり、その証書(Jブルークレジット証書)交付式が開催されることを発表しました。認証・発行クレジット量は、44.3[t-CO2]です。


大島干潟は、徳山下松港内の浚渫土砂を活用し造成された約29ヘクタールの人工干潟です。干潟の造成後、アマモ場やコアマモ場が新たに形成され、多様な生態系が構築されてきています。

周南市ウェブサイトより


2017年11月、大島地区住民と山口県漁業協同組合周南統括支店に所属する漁業者の参加、協働により、貴重な地域資源である干潟を活用した地域の活性化を目指して「大島干潟を育てる会」が設立されました。被覆網のメンテナンス、アサリの間引き作業、カキの養殖実験など、月1~2回の保全活動を行っています。

周南市ウェブサイトより


大島干潟は、生物の生産機能、生息機能、産卵場機能等の効果的な機能を有する干潟として注目されており、環境DNA技術、アマモ場の評価、アサリDNA等の研究の場として活用されています。市内の小学生を対象に「海辺の自然学校」を開催して、干潟に生息する多様な動植物を観察することで、干潟にすむ動植物の豊かさを知ってもらう海洋環境学習の場にもなっています。

周南市ウェブサイトより


Jブルークレジット証書の交付を受けた「大島干潟から、つながる周南市ブルーカーボンプロジェクトin徳山下松港」は、ブルーカーボン・オフセット制度を活用して、ここから多くの人々がつながることによって、さらなる保全活動の活性化及び持続化、カーボンニュートラルへの貢献を推進するとしています。


プロジェクトでは、今後の展望について以下の3点を挙げています。

(1)クレジットなどの活動資金収入があることで、被覆網などの資材やアサリ稚貝を購入できるので、保全活動が活性化される。
(2)アサリ、カキだけでなく、海草類のアマモなども増殖して、CO2削減にこ貢献するとともに、水生生物がすみやすい海洋環境づくりを図り、水産振興につなげる。
(3)市民や企業等に保全活動の体験や環境学習などに参加してもらい、地域活性化を図り、地域振興につなげる。

 
 

<参照情報>
脱酸素社会の実現に向けたJブルークレジット証書交付式開催のお知らせ ~大島干潟から、つながる周南市ブルーカーボンプロジェクトin徳山下松港~
https://www.pa.cgr.mlit.go.jp/news/pdf/press_hk_220315.pdf

山口県周南市:ブルーカーボン推進事業 ~大島干潟からつながるプロジェクト~

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