Initiatives

日本・世界の取り組み
2023.03.03
Share x facebook

世界経済フォーラム(WEF):インドネシア政府とブルーカーボンへの取り組みに関する新たなパートナーシップ

世界経済フォーラム(WEF)は、2023年1月19日、2023年年次総会において、インドネシア政府によるブルーカーボン生態系の復元と海洋保全に対する取り組み拡大への高い志を支援するため、同政府と新たなパートナーシップを結んだことを発表しました。本パートナーシップは、世界で急増する高品質なブルーカーボンのクレジットとプロジェクトの需要に応じ、世界のさまざまな分野でブルーカーボンの活動を行う人々をつなげるために、フォーラムが主導する一連の海洋行動計画(Ocean Action Agenda)の第一弾となるもので、フォーラムと政府レベルの提携としてはこれが初めてとしています。

世界最大の群島諸国であるインドネシアは、ブルーカーボンや持続可能な海洋経済のリーダーであり、また世界最大のブルーカーボン資源を有しています。

マングローブ林、海草、塩性湿地といったブルーカーボン生態系は、熱帯雨林と比べて1エーカーあたり最大5倍の炭素量を貯留します。また、嵐など自然災害から海岸地域を保護するために欠かせないものであり、魚資源の養魚場としての機能も果たします。とりわけ、沿岸地域に暮らす人々に極めて重要な食料源や雇用を提供しています。

海洋行動計画のダイレクターであるKristian Teleki氏は、「ブルーカーボンは、海洋生態系の復元や海岸地域のレジリエンス(立ち直る力)に対して計り知れない可能性をもつと同時に、気候変動の緩和に貢献し、また海洋保護および保全という緊急性の高いニーズを推進するための資金調達の一助にもなる。インドネシアとのパートナーシップが、このウインーウインーウインの可能性を結実させるスタートとなることに興奮している」と語っています。

フォーラムでは、本パートナーシップがブルーカーボンに関心をもつステークホルダーを分野やイニシアチブを超えて呼び集めるものになるとしており、またTeleki氏は、「ブルーカーボンのグローバルリーダーとして、インドネシアをフォーラムの初の国家パートナーとすることで、連携行動がブルーカーボンによる気候、生物多様性、社会的利益への貢献をいかに強化できるかを示す模範となる」と語っています。

フォーラムは今後も、ブルーカーボンへの取り組みを拡大し、各国の気候変動対策への高い志を支援し、現行のイニシアチブの調整を続けるとしています。


世界経済フォーラム(WEF)
World Economic Forum Signs Partnership with Indonesia on Blue Carbon to Support National Climate Goals
https://www.weforum.org/press/2023/01/world-economic-forum-signs-partnership-with-indonesia-on-blue-carbon-to-support-national-climate-goals/

海洋行動計画(Ocean Action Agenda)
https://www.weforum.org/friends-of-ocean-action

ブルーカーボンに関する取り組み事例