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日本・世界の取り組み
2023.03.29
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オーストラリア:ニューサウスウェールズ大学 2040年までに100万ヘクタールのケルプの森を再生する「ケルプフォレストチャレンジ」への参加を呼びかけ

ニューサウスウェールズ大学の海洋生態学者たちは、ケルプの森に関する認識を高めて、再生することを目的としたグローバルな挑戦を「ケルプフォレストチャレンジ」と名付け、個人や企業などに参加するよう呼びかけています。このチャレンジでは、失われたケルプの森を2040年までに100万ヘクタール復元することを目指します。この目標は世界中の専門家やケルプ生態系で生活したり、働いている人々との間での集中協議によって設定されました。

ケルプの森などの海洋林は、二酸化炭素を吸収し、海洋生物に生息地を提供している重要な生態系です。しかし、気候変動と汚染などが原因で、その面積は年々減少しています。同大学は、「100万ヘクタールのケルプの森を復元するには、初期投資として400億米ドルが必要だが、漁業やブルーカーボン、観光から構成される海岸再生事業を通じて、毎年数百億米ドルを生み出すことができる」と述べています。

ニューサウスウェールズ大学の海洋生態学者アーロン・エーガー氏が設立し、同大学が支援している、非営利団体ケルプフォレストアライアンスのウェブサイトでは、現時点で復元されたケルプの森のヘクタール数と合わせて、世界ですでに行われている193のケルプ復元プロジェクトが掲載されています。漂流しているケルプをタイルに移植して植えたカリフォルニア州オレンジカウンティでの事例や、ウニの除去による藻場回復のテストを行った北海道の事例などを紹介することで、これからの復元プロジェクトに役立ててもらうことを期待しています。またチャレンジの参加表明もこちらのサイトで登録できます。


<参考情報>
ニューサウスウェールズ大学「A million hectares of kelp forests need planting by 2040, and scientists need your help」(ウェブサイト)
https://www.unsw.edu.au/news/2023/02/a-million-hectares-of-kelp-forests-need-planting-by-2040--and-sc

ケルプフォレストアライアンス「Kelp Forest CHALLENGE」(ウェブサイト)
https://kelpforestalliance.com/kelp-forest-challenge

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