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2023.04.13
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ブルーカーボン・カナダ:カナダ全体のブルーカーボンの可能性を評価する共同研究

カナダの海岸線(Google Earthより)

2022年、カナダで3年間にわたる158万ドルのプロジェクト「ブルーカーボン・カナダ」がスタートしました。カナダ全体のブルーカーボンの可能性を評価するために、カナダの8つの大学、3つの政府機関、4つのNGOなどが参加する共同研究のプロジェクトです。

プロジェクトでは、カナダの3つの海(太平洋、大西洋、北極海)について、(1)ブルーカーボン生態系の現在の緩和能力のモデル化、(2)軟質堆積物の生息地の緩和能力に関する複数の保全シナリオを用いた評価(海底の堆積物は世界最大級の有機炭素をストックしており、気候変動を抑制・緩和する機能を果たしている)、(3)ブルーカーボンの緩和能力の将来予測を行います。ウェブサイトでは現在、9つの研究プロジェクトが紹介されています。

カナダ政府は2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で40〜45%削減することを発表しています。カナダは世界最長の海岸線を有しており、削減目標の達成には、海洋を活用することが必要です。研究チームの気候科学者のリーダーであるハンシー・シン教授は、「この科学的情報は、カナダ政府が気候政策の決定や保全の優先順位を決定する際に役立つだろう」と述べています。

本プロジェクトは、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」(2021-2030)の一環として、ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)により承認されています。


<参照情報>
Blue Carbon Canada
https://www.bluecarboncanada.ca/

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