鳥羽商船高等専門学校、三重大学大学院生物資源学研究科、三重県水産研究所、鳥羽市、KDDI、KDDI総合研究所は2023年3月31日、機械学習を活用したブルーカーボン自動計測システム構築に向けた取り組みを開始したことを発表しました。最長で2025年3月末まで取り組みを実施し、期間中にブルーカーボン自動計測システムの運用を開始することを目指します。
この取り組みは、「船舶搭載型カメラによる藻場データ収集」、「炭素貯留量の自動計測システムの構築」、「藻場の創出・保全体制の構築」から成り立っています。
船舶搭載型カメラによる藻場データ収集では、低コストで保守性が高く、船の側面への脱着が可能な、水中カメラセンサーデバイスを開発します。三重県沿岸で日常的に操業している複数の漁船に開発したデバイスを取り付け、藻場の水中画像データと海域の位置情報を取得し、観測海域ごとにデータベースへ自動で情報を蓄積していきます。
炭素貯留量の自動計測は、水中画像データから、藻場における各種藻類の炭素貯留量を算出するものです。藻場の3Dモデルを作成することで各種藻類の繁殖量を体積で把握し、炭素貯留量に関する種類ごとの基礎データを基に、総炭素貯留量を計算します。地図アプリと連動して藻場に関する情報や海中環境情報を管理する、藻場観測システムを開発し、現場への導入を目指します。
藻場の創出・保全体制の構築では、三重県沿岸を対象として自動計測システムを運用し、炭素貯留量の変化を監視します。炭素貯留量を把握し、自治体や漁協と協力することでJブルークレジットへの登録、継続的な更新による活動資金確保につなげ、取り組みを持続可能なものにしていきます。
<参照情報>
プレスリリース:漁村の脱炭素・収益向上に向けブルーカーボン自動計測システム構築に向けた取り組みを開始 ~海洋DXを推進、安定した漁獲や生産に寄与~
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2023/03/31/6647.html