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2023.06.15
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熊本県上天草市:NTTデータ、熊本県上天草市と共同でアマモのCO2吸収量を測定

株式会社NTTデータ(以下NTTデータ)は2022年4月14日、熊本県上天草市と共同で、2022年2月から同年3月にかけて上天草市の海草のアマモのCO2吸収量を測定する実証事業を実施したと同社のウェブサイトでに発表しました。

CO2吸収源の新たな選択肢として注目されているブルーカーボンですが、2023年にマングローブ林の排出・吸収量算定が日本の温室効果ガスインベントリ(ひとつの国が1年間に温室効果ガスの量をどのくらい排出、吸収するかをまとめたデータ)に含まれることになったものの、海草・海藻の藻場や塩性湿地については、まだ算定方法を決めるためのデータが足りていません。NTTデータと上天草市は、アマモの採取時期と採取場所がそれぞれ違う条件で算定された文献値と今回の実測値でどのくらい差が出るかを検証することで、ブルーカーボン全体が温室効果ガスインベントリの算定対象となる流れを推進したいと今回の実証事業を実施しました。

測定の結果、アマモの年間のCO2吸収量は文献値では41.29kg-CO2/年、実測値では31.75kg-CO2/年となりました。このことから、吸収量を正確に把握するためには、それぞれの算定条件を踏まえての測定が必要であるということが分かります。

またアマモの藻場面積を測定するためにドローンで空撮した際、波や太陽光の反射で種類や密度が分からないケースがあったことを踏まえて、気象条件によって様々なデータ収集・分析方法が必要であることも判明しました。NTTデータは、画像分析による海草・海藻量の測定、種類の判別方法の検討など、これからも国が推進するCO2吸収源としてのブルーカーボンの活用に貢献したいと語っています。


<参照情報>
株式会社NTTデータ「海そうのCO2吸収量を算定する実証事業を実施~熊本県上天草市のアマモ場をドローン空撮画像で分析~」(ニュースリリース)
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/041400/

熊本県上天草市 令和4年6月定例記者会見(令和4年6月3日) 「海の資源で脱炭素に貢献! 民間企業等と連携しブルーカーボンの実証事業を行いました(PDF)」(ウェブサイト)
https://www.city.kamiamakusa.kumamoto.jp/q/aview/520/16316.html

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