ブルーカーボンに対する世界的な関心が高まる一方で、パリ協定、昆明・モントリオール生物多様性世界枠組み、さらに持続可能な海洋経済の大望を実現するための、この自然にもとづく解決策の潜在性は、まだ十分に実現できていないとされています。
その一方で、これらの生態系は世界的に破壊や劣化が続いています。
そうした中、持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル（海洋パネル）は2023年6月28日、持続可能な開発を支える自然にもとづく解決策としてのブルーカーボン生態系を管理するための最新報告書『ブルーカーボン・ハンドブック』を発表しました。
海洋パネルでは、同ハンドブックをブルーカーボン生態系およびそれらが人々や自然にもたらす恩恵についての極めて重要な指針であるとしています。
そしてこれは、政策決定者にブルーカーボンに関して幅広い理解を与え、意思決定やプロジェクトの実施を支援するために開発されたものであるとしています。
さまざまなブルーカーボン生態系における炭素隔離の可能性をはじめ、ブルーカーボンを取り巻く政策の状況、炭素市場、ブルーカーボン・プロジェクトに対するその他の金融オプションに至るまで、同ハンドブックには幅広いトピックが取り上げられています。下記に本題の目次をご紹介します：
- ブルーカーボンの科学 (Science behind blue carbon)
- 国内および国際的ガバナンスの枠組み (National and international governance frameworks)
- ブルーカーボンの保全と回復を可能にし、支援するための国と地方政府による行動の役割 (The role of national and subnational government action to enable and support conservation and restoration of blue carbon)
- 地域コミュニティと社会的セーフガード (Local communities and social safeguards)
- 高品質で効果の高いブルーカーボン・プロジェクトの開発 (Developing high-quality, high-impact blue carbon projects)
- カーボン市場のリスクと機会 (Carbon market opportunities and risks)
- ブルーカーボンのための代替資金調達および金融機会 (Alternative funding and finance opportunities for blue carbon)
- 国際パートナーシップおよびその他のイニシアチブ (International partnerships and other initiatives)
≪参照情報≫
Ocean Panel Releases The Blue Carbon Handbook
https://oceanpanel.org/the-blue-carbon-handbook-a-powerful-tool-for-climate-action-and-sustainable-development/
A guide to managing blue carbon ecosystems as a nature-based solution for supporting sustainable development.
https://oceanpanel.org/publication/blue-carbon/
