Initiatives

日本・世界の取り組み
2023.09.28
Share x facebook

高知県の須崎港で海の森が創出!――環境保護とCO2吸収を目指す実証試験が成功

四国地方整備局港湾空港部は2022年10月14日、高知県の須崎港で行った実証試験において、藻場が創出されたことを発表しました。生物の生息場や、ブルーカーボンによるCO2吸収源として期待されています。

須崎港は、土佐湾に位置する天然の良港でありながら、過去に津波による大きな被害を受けた経緯があるため、津波防波堤の整備が行われました。さらに東日本大震災の教訓を元にした粘り強い構造への補強対策が実施されたことによって、防波堤背後に浅場が形成されました。

この浅場を活用するため、平成27年度から鉄鋼スラグを用いた環境改善の実証試験がスタート。その結果、藻場が創出され、周辺海域では藻場の消失が進む中で、海藻が繁茂し、様々な生物の生息が確認されました。この成功により、生物多様性の保持と環境保護への一石を投じました。

創出された藻場の面積は2,034平方メートル、年間約1.3トンのCO2吸収量(40年生のスギが1年間で吸収する量に換算すると約150本分)に相当します。ブルーカーボン創出を通じての脱炭素社会への貢献が期待されています。


<参照情報>
「みなと」で海の森が創出! ~須崎港で藻場が創出。生きもの生息場、CO2吸収源として期待!~ | 国土交通省
https://www.pa.skr.mlit.go.jp/news/20221014.pdf

ブルーカーボンに関する取り組み事例