オーストラリアのビクトリア州は2023年8月9日、ユネスコに登録されたウエスタンポート生物圏保護区への支援を行うと発表しました。同州のアンドリュース労働党政権が、ネット・ゼロ・エミッションへの移行に取り組む中で、、海洋生態系を改善し、ブルーカーボン回収の主要拠点としての可能性を高めるためとしています。
同州のイングリッド・スティット環境相によると、総額120万ドルの補助金が、ウエスタンポート生物圏保護区財団とBunurong Land Councilに配分され、同保護区の計画と修復プロジェクトに対して使われるとのことです。
この財政援助によって、ウエスタンポート地域独自の沿岸生物多様性を将来にわたって保護できるだけでなく、その広大なマングローブ林と湿地帯がもたらすブルーカーボン貯留能力の最適化にもつながります。
今回の資金を使って、まずマングローブ、海草、塩性湿地の生息地の保護・強化に向けた選択肢を特定するための、場所ごとの詳細な分析と計画が行われます。また、同地域の広大な湿地帯を保護・回復する方法に関する研究をさらに進めると同時に、植林、フェンス設置、害虫・雑草駆除などの現場作業も実施されます。
さらに、大陸間を毎年行き来する何千羽もの渡り鳥など、この地域の生物多様性が豊かであり続けるよう、保護区の生態系を確実に保護します。
ウエスタンポート生物圏保護区財団は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の生物圏プログラムの正式な認定を受けており、生物多様性の保全と文化的価値の維持における地域社会の関与を促進しています。
<参照情報>
INVESTING IN MARINE ECOSYSTEMS AND BLUE CARBON CAPTURE
https://www.biosphere.org.au/media-centre/investing-in-marine-ecosystems-and-blue-carbon-capture/