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2023.12.25
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米国メイン州からニューヨーク州ロングアイランドまでのブルーカーボン貯留地域に関するレポートが完成

US EPA, ”Blue Carbon Reservoirs from Maine to Long Island NY"

米国環境保護庁(EPA)ニューイングランド地域事務所は2023年8月8日、米国北東部沿岸のブルーカーボンをマッピングした報告書を作成し、公開したと発表しました。

この取り組みの目的は、植生しているブルーカーボン生息地の面積と隔離された炭素の両方について、土台となるデータベースとマップを作成することです。対象地域には、推定218,222エーカーのアマモ場と塩性湿地があり、推定7,523,568メガグラム(1メガグラム=1,000kg)のブルーカーボンが貯留されています。EPAのgreenhouse gas equivalency calculator(仮訳:温室効果ガス等量計算機)を使用すると、この貯留炭素量は以下に相当します。

  • 5,994,024台の乗用車が1年間に走行した場合の排出量
  • 30,521,000,000ポンド以上の石炭の燃焼
  • 3,474,000世帯の1年間のエネルギー使用に伴う排出量
  • 7,498基の風力タービンが1年間稼働することで相殺される排出量
  • 32,646,000エーカーの高地林に1年間に蓄積される炭素量

ニューイングランドで貯留されている炭素は、主に塩性湿地に関連しており、海面上昇と沿岸開発によって大きな危機にさらされています。

EPAニューイングランド・地域統括責任者のDavid.W.Cashは「健全に生育している海草や塩性湿地は、大気中の不要な炭素を排出し、活力ある沿岸生態系に炭素を貯蔵するためのカギとなります。こうした生態系は、商業ベースで取引される多くの魚介類にとって重要な生育地です。また、沿岸地域の洪水に対する防御の第一線でもありますが、こうした洪水では多くの場合、不利な立場にある地域社会が最初に、最悪の影響を受けます。この取り組みから得る知見や、成果物としてのマップは、土地や沿岸の管理政策、漁業管理、気候変動緩和策の実践に役立つでしょう」と語っています。

背景

2017年のニューイングランド州知事・カナダ東部州首相会議において、温室効果ガス排出量を低減および削減するための地域的な気候変動対策として、「既存の炭素貯留地を保護・強化するためのブルーカーボン資源」の管理が挙げられました。

2020年6月、EPAのリージョン1は、ニューイングランドにおけるブルーカーボン一覧表の土台を作る取り組みを開始しました。ニューイングランドの州および連邦(USGSとUSDA)機関、学術専門家、非政府組織と連携を取りながら、北東部地域海洋協議会(NROC)との契約を活用して、ニューイングランドのアマモ場と塩性湿地の生息地(現在と過去)、および海洋土壌コアのデータセットを入手し、Northeast Ocean Data Portalのインタラクティブマップに入力しました。この共同作業の詳細は、レポート”Blue Carbon Reservoirs from Maine to Long Island NY” (仮訳:メイン州からニューヨーク州ロングアイランドまでのブルーカーボン貯留地域)にまとめられています。


<参照情報>
"Blue Carbon Reservoirs from Maine to Long Island NY" Report is now available
https://www.epa.gov/newsreleases/blue-carbon-reservoirs-maine-long-island-ny-report-now-available

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