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2024.03.22
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企業からの寄付金を活用して藻場を再生

Photo by harry_nl is licensed under CC BY-NC-SA 2.0

神奈川県は2024年1月24日、神奈川県では初となる、企業からの寄付金による藻場再生の取り組みを開始することを発表しました。磯焼けが発生している海域で海藻種苗を育成することで藻場を再生し、ブルーカーボンの創出を目指します。

神奈川県水産技術センター(以下、水産技術センター)では、磯焼けで失われた相模湾の藻場を再生する研究を進めています。この取り組みに賛同したエクセレンスインターナショナルから、2023年12月に50万円の寄付がありました。今後も半年ごとに50万円の寄付が予定されています。エクセレンスインターナショナルは、ポルシェを販売するポルシェセンター青山等を運営しており、寄付金には車の購入者からのものも含まれています。

水産技術センターが2015年度に相模湾で行った磯焼け実態調査では、半年程度で成熟する早熟性カジメが発見されました。通常のカジメは成熟して次世代を残すまでに1年半かかるため、食害が激しい海域では成熟前に食べられてしまうのですが、早熟性カジメは食害にあう前に次世代を残すことが期待できます。2019年度からは早熟性カジメの配偶体の培養を試み、苗を生産することに成功しました。

寄付金を活用する取り組みでは、水産技術センターが生産した早熟性カジメ等の海藻種苗を育成します。場所は三浦半島沖の海域で、広さは50メートル四方です。2023年春に城ヶ島沿岸で行った試験では、ロープに挿し込んだカジメ種苗が大きく成長しており、今回の取り組みで藻場が形成されることが期待されます。

<参照情報>
(1) プレスリリース(神奈川県)
本県初!寄附金による藻場の再生とブルーカーボンの創出の取組を始めます
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/kb2/prs/r3210249.html
(2) 神奈川県水産技術センターウェブサイト
本県初!寄附金による藻場の再生とブルーカーボンの創出の取組を始めます
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/mx7/saibai/mobasaisei.html
(3) ポルシェセンター青山ウェブサイト
Taycanで行くSDGsを考える旅
https://www.porsche.co.jp/dealers/aoyama/news/detail?shopid=52&topicid=6255

ブルーカーボンに関する取り組み事例