Initiatives

日本・世界の取り組み
2024.08.28
Share x facebook

Climate Impact PartnersとWeForest:セネガルで大規模なマングローブ再生プロジェクト始動

"Mangrove near Ziguinchor" by jbdodane is licensed under CC BY-NC 2.0

カーボンオフセット・プロバイダーのClimate Impact Partners(CIP)は2024年3月26日、ベルギーのNGO団体WeForestらとともに、セネガル南西部のカザマンス川河口域で大規模なマングローブ再生プロジェクトを始動したことを発表しました。

再生する生態系の規模は5,000ha近くになるとし、今後30年間で100万トンの炭素除去を実現するとともに、50種を超える哺乳類や数百の渡り鳥の生息地を復元することを目指すとしています。

WeForestは森林再生プロジェクトなどを手掛けるNGO団体で、プロジェクトが展開されるカザマンス川河口付近の三角州では、以前から地元NGOのOceaniumらとともにマングローブの植林活動を行っていました。

これまでにおよそ800万本の植林に成功しており、2028年までに2,300万本を目指すとしています。同国政府や地域の人々との密接な関係もすでに築かれています。

先駆的な新技術や環境DNA技術の導入支援も行ってきており、その非侵襲性(生物を直接捕獲しない)技術によって、この地域のマングローブ生態系におけるさまざまな動物や植物の種が発見されました。その中には、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リストに掲載されている希少種のセンザンコウも含まれていました。

カーボンクレジットについては、CIPは2026年に最初の発行を目指すとしています。クレジットを購入する企業は、今後30年間にわたって自然に基づくカーボンクレジットを確保し、長期にわたる気候変動対策のコミットメントを果たす機会を得ることになるとしています。

このプロジェクトにより発行されるカーボンクレジットは、土壌有機炭素の蓄積だけでなく海面上昇による影響も考慮した、Verraの潮汐湿地再生に関する最新の方法論にもとづいて発行される最初のクレジットのひとつとなるとしています。

CIPは、マングローブについて各地域に最も適した種を確実に植林するための調査「species site matching study」(種と土地のマッチング研究)を実施しており、今後はこの地域の炭素隔離に関する理解を深めるために、土壌炭素の分析を開始するとしています。


<参照情報>
Climate Impact Partners and WeForest launch high impact mangrove restoration project in Senegal
https://www.climateimpact.com/news-insights/news/climate-impact-partners-and-weforest-launch-high-impact-mangrove-restoration-project-in-senegal/

Casamance Mangroves, Senegal Restoring wetlands in Senegal
https://www.weforest.org/programmes/blue-carbon/casamance-mangroves/

ブルーカーボンに関する取り組み事例