
カリブ海沿岸に位置するコロンビアのシスパタ湾に広がるマングローブ地帯では現在、Vida Manglar(スペイン語で「マングローブの生命」)と呼ばれる30年計画のブルーカーボンプロジェクトが展開されています。
Vida Manglarは、シスパタ湾のマングローブ生態系の保全と再植林を目指す共同イニシアチブで、地域社会との協力により計画されたものです。
コンサベーション・インターナショナル、コロンビア環境・持続可能な開発省(MADS)、Omacha財団、海洋沿岸研究所(INVEMAR)、シヌ川・サンホルヘ渓谷の自治機関といった、分野を超えた協力によってうまれ、マングローブに経済的価値を置く画期的なプロジェクトとして、世界経済フォーラムが2024年11月8日、その取り組みを紹介しています。
7,500ヘクタールのマングローブ生態系の保全・再生を目指すこの取り組みの中心は、カーボン・クレジットから得られる収益を地域社会と保全活動に還元する仕組みにあるとしています。
シスパタ地域には12,000人が暮らし、彼らは沿岸保護・食料安全保障・雇用機会などマングローブが提供する生態系サービスの恩恵を間接的に受けています。また435の世帯が、キャパシティー・ビルディングや経済的代替案などを促進するインセンティブ・プログラムによる利益を直接的に受けています。
INVEMARは、プログラム開始以降100回以上のワークショップやトレーニングセッションを実施してきており、参加者はこれまでに1,000人を超え、その内42%が女性だったとしています。コンサベーション・インターナショナルは、地域社会が積極的に関与し、プロジェクトの将来をともに築いていけるように取り組んでいるとしています。
地域社会や原住民がマングローブを管理することで、より好ましい、そして長期的な保全成果がうまれます。実際、地域社会のエンパワーメントが、ブルーカーボンの枠組み「ブルーカーボンの原則とガイダンス高品質化」の重要な特徴だと、世界経済フォーラムは説明しています。
Vida Manglarは、こうした高品質なプロジェクトが、カーボンファイナンスを活用した投資に支えられ需要に応えることができるという一例を示すものだとしています。2015年にスタートした同プロジェクトは、カーボン・クレジットの販売によって、2045年までの30年間で100万トンのCO2隔離の実現を目指しています。
クレジットの販売による収益はその92%が地域社会に還元されています。これは、生態系が隔離する炭素によって得られた利益が、地域社会にとっての重要な利益のために再投資されるという模範的な仕組みだとしています。
世界経済フォーラムは、マングローブ生態系の回復による成功を拡大する次の一歩は、地域社会、プロジェクト開発者、政府、投資家、NGO、科学者間での分野横断的な対話にかかっているとしています。
コロンビアのカリで開催された先のCBD COP16において、コロンビア政府、INVEMAR、世界経済フォーラムは、同国のブルーカーボン活動を加速し、持続可能な開発、自然そして気候目標が生み出す相乗効果をさらに支えるために、国家ブルーカーボン・アクション・パートナーシップの立ち上げを最終決定しました。
“This translation was not created by the World Economic Forum and should not be considered an official World Economic Forum translation. The World Economic Forum shall not be liable for any content or error in this translation.”
<参照情報>
How Colombia’s mangrove stewards are pioneering a climate and nature-positive approach
https://www.weforum.org/stories/2024/11/how-colombia-mangrove-stewards-are-pioneering-a-climate-and-nature-positive-approach/
Vida Manglar carbon project
https://www.conservation.org/projects/vida-manglar-carbon-project
Vida Manglar
https://vidamanglar.co/indexEn.html