
オランダのNPO団体North Sea Farmersは2025年7月、オランダ沖の北海に位置する世界初の商業規模の海藻養殖施設「North Sea Farm 1」において、初の海藻収穫を迎えたことを発表しました。この施設は、洋上風力タービンの設置区域内という他に例のない場所にあり、2024年10月、タービン間に海藻ネットを設置して種苗の植え付けが行われていました。収穫は、専用船がタービン間を航行し、海底に固定された大型ネットから海藻を回収する形で行われました。
収穫後は、英プリマス海洋研究所ら同プロジェクトのパートナーによって、海藻の成長、炭素吸収、生態系への影響、さらに将来的な商業規模拡大の可能性が評価される予定で、今回の収穫は、海藻養殖による大気中の炭素除去や、気候レジリエンスへの貢献策などを検討する研究者にとって貴重な知見となるとしています。
また、収穫された海藻は食品や繊維などに加工が可能で、土地・淡水・肥料を必要としないことから、陸上で化学肥料を用いて生産されてきた多くの資材の代替にもなり得るとしており、長期的には陸上での農業負荷の軽減にもつながる可能性があるとしています。
<参照情報>
First-ever harvest at pioneering North Sea seaweed farm, funded by Amazon’s Right Now Climate Fund
https://www.northseafarmers.org/news/first-ever-harvest-at-pioneering-north-sea-seaweed-farm-funded-by-amazons-right-now-climate-fund


