
国際林業研究センター・国際アグロフォレストリー研究センター(CIFOR-ICRAF)は2025年10月29日、同月14日にインドネシアのジャカルタで開催されたBlue Carbon Economic Value and Indonesia’s Leadership(仮訳:ブルーカーボンの経済的価値とインドネシアのリーダーシップ)のワークショップについて報告しました。
科学者や政策策定者、産業の専門家が集まり、インドネシアの生態学的利点を経済的な機会に変える方法と、同国のブルーカーボン計画が、林業とその他の土地利用(FOLU)部門の一部として利益を得る方法について話し合いました。まず、マングローブの保護にかかるコストは再生よりもはるかに低く、保護の便益費用比率は再生の5倍になり得ることが報告されました。炭素市場については、国内炭素市場はまだ規模、信用、投資家の信頼が不足しているため、多くの質の高いプロジェクトや、炭素の経済的価値について地域社会に理解してもらうトレーニングを実施して信頼を得るべきだという意見が出ました。
CIFOR-ICRAFでは、マングローブ林の保護による幅広い社会的利益を重視する研究を行っています。その結果、マングローブは、「女性を含む誰もが漁業を営める包摂的な収入源だが、地元コミュニティに保護されており、さらに開拓することはできないため、限定的な収入源でもあること」と、「食料安全保障において極めて重要な役割を果たしていること」が分かりました。
研究者は、「再生も重要だが、既存のマングローブ林の保護を優先すべきであり、理想的なのは、保護と再生を結び付けて進めることだ」と主張しています。
<参照情報>
Indonesia’s mangrove conservation could hold the key to blue carbon trading
https://forestsnews.cifor.org/94347/indonesia-mangrove-conservation-carbon-trading?fnl=en


