私たちについて
海の中で海草や海藻は生長する際に、二酸化炭素を吸収します。この海洋生態系に蓄積される炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれ、陸上の森林(グリーンカーボン)と同じく、すでに排出されてしまった二酸化炭素を吸収・除去するものになるのです。この取り組みが世界で注目され、広がっています。
私たち、未来創造部では熱海の海域で、漁業組合や行政の許可を得て、藻場の再生・ブルーカーボンの取り組みを進めています。しかし、すべてが手探りで、知り合いをたどって、同様の取り組みをしている方々に何とかつながって、教えを請うている状況です。藻場の調査や観察に関わる技術や手法も、試行錯誤しています。
現在、こういったブルーカーボンに関わる様々な主体の様々な取り組みは、まだ個々独立して行われていることが多く、残念ながらまだ「お互いから学びあうことで効果的に進める」状況にありません。幸いなことに、少しずつ活動環境もかわりつつあります。これまでは潜水するしかなかったやり方も、現在は、水中カメラや水中ドローンなどの技術も進展しつつあります。また、政府や自治体も、ブルーカーボンに注目しつつあります。
そこで、各地の取り組みや様々な技術、制度をつなぐプラットフォームを作ることで、日本の藻場の再生・ブルーカーボンの取り組みを加速したい! 広げたい!—そのためのプラットフォームを作りたいと考え、2021年11月にブルーカーボン・ネットワークのプロジェクトを立ち上げました。そうすることで、これから藻場の再生やブルーカーボンの取り組みを進めようという地域のお役にも立てると思っています。
各地の取り組みをつなぎ、情報を共有し、お互いに学びあい、刺激しあい、支えあって、それぞれの取り組みを進めると同時に、より効果的・効率的な藻場再生・ブルーカーボンの取り組みのための技術や制度にもつながる場になればと考えています。
さらに、日本の活動を世界へ、また世界の最新動向を国内に伝えることで、日本のみならず世界のブルーカーボンの動きも支援できると思います。
現時点で、「ブルーカーボン」について知っている人々はあまり多くないかもしれません。一方、温暖化の被害に心を痛めたり、何とかしなくては、と思っている人は増えています。ウェブサイトでの情報発信や、シンポジウム・セミナー、見学会、次世代への環境教育などを通じて、藻場の大切さやブルーカーボンについての理解をひとりでも多くの方々に持っていただけるようにしていきたいと考えています。
理事長エダヒロからのメッセージ
はじめまして。静岡県熱海市で活動する特定非営利活動法人ブルーカーボン・ネットワーク/未来創造部理事長の枝廣淳子です。
「温暖化対策」と「海の豊かさを取り戻すこと」
私は25年ほど前から環境問題に取り組んできましたが、温暖化への対策と、海の豊かさを取り戻すことが非常に重要な課題であると考えています。この2つの課題の両方に効く取り組みが「ブルーカーボン」です。
私は、縁あって移住し活動を始めた熱海で、未来創造部の仲間と出会い、「温暖化対策+海の豊かさを取り戻す取り組み」として、藻場の再生を通じてのブルーカーボン(海洋生態系に吸収・固定化されるCO2)に取り組んでいます。
日本でも横浜や福岡などブルーカーボンに関わる取り組みがいくつかあります。しかし現在、まだ知らない人も多く、そういった先進地域のプレーヤーや、これからやりたいと思っている人々をつなぐ場もありません。 みんなそれぞれで取り組んでおり、効果的なやり方をそれぞれが試行錯誤している現状です。
そこで、ブルーカーボンに関する取り組みやさまざまな技術、制度をつなぐプラットフォームを作り、情報共有と発信することで活動を加速させたい。多くの方に知っていただき、関心を持っていただきたい。同時に、次世代への環境教育を通じて、日本の藻場の再生・ブルーカーボンの取り組みを広げたい!と願っています。
ぜひ皆さんのお力を借しください。
特定非営利活動法人ブルーカーボン・ネットワーク理事長
株式会社未来創造部代表取締役社長
枝廣淳子
特定非営利活動法人ブルーカーボン・ネットワーク
静岡県熱海市渚町10-9 未来創造スクエア2階 (営業時間:午前9時~午後5時)
メール:info@bluecarbon.jp
特定非営利活動法人ブルカーボン・ネットワーク定款(PDF/441KB)