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2023.10.23
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国際金融公社(IFC):ブルーカーボン市場における金融機関の果たす役割についてレポートを発表

ブルーカーボンに関するプロジェクトによって創出されるカーボン・クレジットは、企業が自社の二酸化炭素排出量を相殺したり、各国がパリ協定の下に約束した「自国が決定する貢献(NDC)」を支えたりするために活用することが可能です。

こうしたブルーカーボン・クレジットに対する需要や、この種のプロジェクトに対する関心が高まっているにもかかわらず、ブルーカーボンに関するプロジェクトは依然として資金を必要としており、気候変動緩和活動への資金援助は可能でも、それが適切なプロジェクトに行き渡るには時間がかかるとされています。

そうした中、国際金融公社(IFC)は2023年5月13日、この新たなブルーカーボン市場を概説し、本市場における金融機関の果たせる役割についてまとめた報告書(Deep Blue: Opportunities for Blue Carbon Finance in Coastal Ecosystems) を発表しました。

報告書によると、プロジェクトの需要は高く、大手バイヤーの多くはカーボン・クレジットの先渡し取引の締結に意欲的で、プレミアム価格や前払いなど特典の提供にも積極的であるとしています。金融機関は、本市場において有益な役割を果たせるとし、具体的な支援の可能性を挙げています:

  • ブルーカーボンに関するプロジェクトの開発者に確実な炭素購入契約を提供する。特に、カーボン・クレジットの販売希望価格が、大手バイヤーが現在妥当と考える価格を上回っている場合や、提案された施策が概念実証の段階にある場合に、金融機関が主要な購入者となり、プレミアム価格や部分的な前払い資金を提供する。そうすることで、コストはかかるが注目度の高い沿岸生態系の復元イニシアチブのプロジェクトの開発を強化できる。
  • 金融機関が資金提供している沿岸域のインフラプロジェクトにおいて、自然に基づく解決策の実施を促進する。これらの投資のうち、ブルーカーボンの部分はおそらく規模が限定的であるため、これらの施策をカーボンプログラムとしてひとまとめにするという提案および調整ができる。

さらに、金融機関は次のようにしてブルーカーボン市場の発展を支援することができるとしています:

  • 成長の見込まれる市場で展開している保険会社に対して、対洪水リスク政策を湿地改善の施策に合わせるように財政支援や顧問サービスなどを提供する。
  • 沿岸湿地の保全と復元活動に焦点を当てたブルーボンド(債券製品)を設計し、関連する収益の使途を評価するための実用可能な評価基準と影響に対するフレームワークを定める。

<参照情報>
Deep Blue: Opportunities for Blue Carbon Finance in Coastal Ecosystems
https://www.ifc.org/en/insights-reports/2023/blue-carbon-finance-in-coastal-ecosystems

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