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2023.10.27
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広島大学、中国電力株式会社:石炭灰造粒物を使った干潟でのアサリの生態系調査発表

広島大学と中国電力株式会社(以下中国電力)は2023年4月27日、石炭灰造粒物を使って造成した干潟でのアサリ等生態系調査を行った結果を発表しました。干潟ではアサリの個体数が増加し、成長が促進されたことが確認されたとのことです。

広島大学と中国電力は、産学の連携を通して、エネルギーや環境保全に関する研究開発などを進める、包括的研究協力に関する協定を2019年12月4日に締結しました。この協定に基づき、石炭火力発電所から出る石炭灰を有効活用する研究を共同で実施しています。2020年11月には松永湾水産振興協議会と尾道市との共同で、尾道市松永湾に石炭灰造粒物を使った干潟を造成して、アサリ等の生態系にどう影響するかに焦点を当てた実証試験を2年間行いました。

この試験で、在来アサリの生息区と同じ程度に造成干潟でもアサリの個体数が増加したこと、また在来アサリと比べて、造成干潟のアサリのほうが大きいことが確認できました。この結果から、石炭灰造粒物がアサリを捕食するツメタガイやエイなどからアサリを守ること、合わせて、石炭灰造粒物に藻が繁殖した結果を受けて、アサリの餌の環境を改善していることが考えられると発表しています。また、繁殖した藻類がCO2を吸収する効果もあったとしています。広島大学と中国電力は、今後も石炭灰造粒物を利用したブルーカーボンや生物が育つ環境改善に関する研究を続けていきたいと語っています。


<参照情報>
中国電力株式会社 「石炭灰利用・環境保全技術共同研究講座」における研究成果について ~石炭灰造粒物を利用した造成干潟におけるアサリを中心とした生態系の回復について~(プレスリリース)
https://www.energia.co.jp/press/2023/14675.html

国立大学法人広島大学 中国電力株式会社「『石炭灰利用・環境保全技術共同研究講座』の研究成果概要」(別紙1)
https://www.energia.co.jp/assets/press/2023/p20230427-2a.pdf

中国電力株式会社「広島大学との包括的研究協力に関する協定の締結について」(プレスリリース)
https://www.energia.co.jp/press/2019/12188.html

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